「海外ノマド」という働き方は、住む場所や時間に縛られず、自由に仕事をしながら世界中を旅するスタイルを指します。
インターネットが普及した現代、リモートでできる仕事が増え、この夢のようなライフスタイルを実現する人が増えています。しかし、海外ノマドになるためには、どのような職種が適しているのでしょうか?
この記事では、海外ノマドにおすすめの職種を10種類紹介し、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
これから海外ノマドを目指す方にとって、最適なキャリア選びの参考になれば幸いです。
海外ノマドにおすすめの職種
ここからは、海外ノマドとして働くのに適した、具体的な職種を紹介していきます。インターネットとパソコンがあれば、世界中どこでも仕事ができる職種が中心です。それぞれの仕事内容や求められるスキル、メリット・デメリットを見ていきましょう。
Webデザイナー
Webサイトのデザインを担当する専門職です。
Webデザイナーは、クライアントの要望に応じて、Webサイトの見た目や使いやすさを設計する仕事です。企業の顔となるコーポレートサイトや、商品を販売するECサイト、情報を発信するメディアサイトなど、多種多様なWebサイトのデザインを手がけます。デザインスキルはもちろん、ユーザーが快適にサイトを利用するためのUI/UX設計の知識も重要になります。リモートワークとの親和性が非常に高く、海外ノマドに人気の職種の一つです。
求められるスキルと知識
デザインツールを使いこなす技術が必要です。
Webデザイナーには、PhotoshopやIllustrator、Figmaといったデザインツールを使いこなすスキルが求められます。加えて、HTMLやCSSといったマークアップ言語、場合によってはJavaScriptのようなプログラミング言語の基礎知識も役立ちます。クライアントの意図を正確に汲み取り、デザインに反映させるコミュニケーション能力も不可欠です。
メリット|需要が高く創造性を活かせる
自分のデザインが形になるやりがいがあります。
Webサイト制作の需要は安定しており、常に仕事が見つけやすい状況です。自分のアイデアやセンスを活かして、魅力的なデザインを生み出すことにやりがいを感じる人に向いています。作成したWebサイトはポートフォリオとして実績を示しやすく、次の仕事獲得にも繋がります。
デメリット|技術トレンドの変化と競争
常に学び続ける姿勢が求められます。
Web技術やデザイントレンドは移り変わりが激しいため、常に最新情報を学び続ける必要があります。フリーランスのWebデザイナーは多く、競争が激しい側面もあります。クライアントとの意思疎通がうまくいかないと、修正作業に時間がかかることもあります。
プログラマー/開発者
ソフトウェアやアプリケーションを開発する専門職です。
プログラマーや開発者は、Webアプリケーション、モバイルアプリ、業務システムなど、様々なソフトウェアの設計・開発・テスト・保守を行います。使用するプログラミング言語は、Web系(JavaScript, PHP, Rubyなど)、アプリ系(Swift, Kotlinなど)、AI・データサイエンス系(Pythonなど)と多岐にわたります。論理的な思考力と問題解決能力が求められる仕事です。
求められるスキルと知識
プログラミング言語の習得が必須です。
特定のプログラミング言語に関する深い知識と経験が必要です。加えて、データベース、ネットワーク、サーバーなどの周辺知識、バージョン管理システム(Gitなど)の利用スキルも重要になります。チームで開発を進める場合は、コミュニケーション能力や協調性も求められます。
メリット|高い専門性と収入
スキル次第で高収入を目指せます。
プログラミングスキルは専門性が高く、需要も大きいため、比較的高収入を得やすい職種です。実力があれば、場所を選ばずに働くことができ、フリーランスとして独立することも十分に目指せます。多様な分野の開発に携わることで、常に新しい技術に触れられる点も魅力です。
デメリット|継続的な学習と納期へのプレッシャー
技術習得には時間と努力が必要です。
プログラミング言語や開発環境は常に進化しており、継続的な学習が欠かせません。プロジェクトによっては納期が厳しく、プレッシャーを感じることもあります。長時間画面に向かう作業が多いため、自己管理能力も重要になります。
ライター/ブロガー
文章を作成して情報発信する仕事です。
ライターは、Webサイトの記事、ブログ記事、広告コピー、メールマガジンなど、様々な媒体で文章を作成します。ブロガーは、自身のブログを運営し、特定のテーマについて情報発信を行い、広告収入やアフィリエイト収入を得ます。読者の興味を引きつけ、分かりやすく情報を伝える文章力が必要です。SEO(検索エンジン最適化)の知識があると、より多くの人に読まれる記事を作成できます。
求められるスキルと知識
文章力と情報収集能力が基本です。
正確で分かりやすい文章を書く能力が最も重要です。加えて、記事のテーマに関する知識や、信頼できる情報を効率的に収集する能力も求められます。SEOの知識、WordPressなどのブログプラットフォームの操作スキル、読者のニーズを理解する力も役立ちます。
メリット|始めやすさと自由度の高さ
特別な資格がなくても始められます。
他の専門職に比べて、初期投資が少なく、比較的始めやすいのが特徴です。自分の興味や経験を活かしてテーマを選び、好きな時間に好きな場所で執筆できます。ブログ運営の場合、自分のメディアを持つことで、影響力を持つこともできます。
デメリット|収入の不安定さと自己管理
安定した収入を得るまで時間がかかることがあります。
特にフリーランスのライターやブロガーの場合、収入が不安定になりやすい傾向があります。質の高い記事を継続的に書き続ける必要があり、自己管理能力やモチベーション維持が重要です。ネタ探しや取材に時間がかかることもあります。
翻訳者
言語の壁を越えてコミュニケーションを支援する仕事です。
翻訳者は、文書、書籍、Webサイト、映像コンテンツなどを、ある言語から別の言語へ翻訳します。ビジネス文書、マニュアル、契約書などの実務翻訳、小説や詩などの文芸翻訳、映画やドラマの字幕・吹き替え翻訳など、分野は多岐にわたります。単に言語を置き換えるだけでなく、文化的な背景やニュアンスを理解し、自然で正確な訳文を作成する能力が求められます。
求められるスキルと知識
高度な語学力と専門知識が必要です。
翻訳元と翻訳先の両言語に対する高い語学力はもちろん、翻訳対象分野に関する専門知識が不可欠です。例えば、医療翻訳なら医学用語、IT翻訳なら技術用語の知識が求められます。異文化理解力、リサーチ能力、文章力も重要です。
メリット|専門性を活かせる国際的な仕事
語学力を最大限に活かせます。
得意な言語と専門分野を組み合わせることで、高い専門性を発揮できます。世界中のクライアントと仕事をするチャンスがあり、国際的な感覚を養うことができます。在宅で仕事を進めやすく、自分のペースで働ける点も魅力です。
デメリット|高い精度と納期へのプレッシャー
誤訳が許されない責任感が伴います。
翻訳の品質は非常に重要であり、誤訳が大きな問題を引き起こす可能性もあります。高い精度が求められるため、常に集中力が必要です。納期が厳しい案件も多く、プレッシャーを感じることがあります。専門分野によっては、常に新しい知識を吸収し続ける必要があります。
マーケティングコンサルタント
企業のマーケティング活動を支援する専門職です。
マーケティングコンサルタントは、クライアント企業の製品やサービスがより多く売れるように、市場調査、戦略立案、施策の実行支援、効果測定などを行います。Webマーケティング(SEO、広告運用、SNS活用など)に特化するコンサルタントも多く、データ分析能力や論理的思考力、コミュニケーション能力が重要になります。企業の課題解決に貢献できる、やりがいのある仕事です。
求められるスキルと知識
幅広いマーケティング知識と分析力が必要です。
市場分析、競合分析、顧客分析の手法、各種マーケティング施策(広告、PR、コンテンツマーケティング、SNSマーケティングなど)に関する知識が求められます。データ分析ツールを使いこなし、客観的なデータに基づいて戦略を立てる能力も重要です。クライアントへの提案力やプレゼンテーション能力も欠かせません。
メリット|課題解決への貢献と多様な経験
企業の成長に直接関われます。
クライアント企業の売上向上や課題解決に貢献できるため、大きな達成感を得られます。様々な業界や企業のマーケティングに携わることで、幅広い知識と経験を積むことができます。成果が数字で表れやすいため、実力を示しやすい職種でもあります。
デメリット|結果への責任と継続的な情報収集
成果を出すプレッシャーがあります。
コンサルタントとしての提案が、クライアントの業績に直結するため、結果に対する責任が伴います。マーケティングの手法やトレンドは常に変化するため、最新情報を学び続ける必要があります。クライアントとの関係構築や期待値調整も重要になります。
動画編集者
映像素材を編集して魅力的な動画コンテンツを作成する仕事です。
動画編集者は、撮影された映像素材や音声素材を、カット、テロップ挿入、BGM・効果音追加、色調補正などを行い、一つの動画作品として完成させます。YouTube動画、企業のプロモーション動画、Web広告動画、結婚式ムービーなど、様々なジャンルの動画編集を手がけます。映像編集ソフトを使いこなす技術と、視聴者を引きつける構成力や演出力が求められます。
求められるスキルと知識
動画編集ソフトの操作スキルが必須です。
Adobe Premiere ProやFinal Cut Proなどの動画編集ソフトを使いこなすスキルが必要です。基本的なカット編集だけでなく、カラーグレーディング、モーショングラフィックス、音響編集などの知識もあると強みになります。クライアントの要望を理解し、映像で表現する構成力やセンスも重要です。
メリット|需要の増加と表現の多様性
動画コンテンツ市場の拡大により需要が高まっています。
YouTubeやSNSの普及に伴い、動画コンテンツの需要は年々増加しています。映像という表現方法を通じて、情報を分かりやすく伝えたり、感動を与えたりすることができます。自分の編集スキルが直接作品のクオリティに反映されるため、やりがいを感じやすい仕事です。
デメリット|高スペックなPCと作業時間
高性能なパソコンとソフトウェアが必要です。
動画編集はマシンパワーを要求するため、比較的高スペックなパソコンが必要になります。編集作業には時間がかかることが多く、特に凝った編集をする場合は、長時間の作業になることもあります。クライアントからの修正依頼に対応することも多いです。
ソーシャルメディアマネージャー
企業のSNSアカウント運用を代行・支援する仕事です。
ソーシャルメディアマネージャーは、Twitter、Instagram、FacebookなどのSNSプラットフォームを活用し、企業のブランディング、商品・サービスの認知度向上、顧客とのコミュニケーションなどを目的としたアカウント運用を行います。投稿コンテンツの企画・作成、投稿スケジュールの管理、コメントやメッセージへの対応、効果測定と改善提案などが主な業務です。
求められるスキルと知識
SNS運用スキルとコミュニケーション能力が重要です。
各SNSプラットフォームの特性を理解し、効果的な運用戦略を立てる能力が必要です。魅力的な投稿を作成するためのライティングスキルや、画像・動画編集スキルもあると役立ちます。炎上対策などのリスク管理能力や、ユーザーと円滑にコミュニケーションをとる能力も求められます。
メリット|比較的新しい分野で活躍のチャンス
SNSの重要性が高まる中で需要が増しています。
多くの企業がSNSマーケティングに力を入れており、専門知識を持つ人材の需要が高まっています。比較的新しい分野であるため、経験が浅くても活躍できるチャンスがあります。トレンドに合わせた企画を考え、実行していく面白さがあります。
デメリット|常に最新情報とトレンドを追う必要性
SNSの仕様変更やトレンドの変化が激しいです。
各SNSプラットフォームのアルゴリズムや機能は頻繁に変更されるため、常に最新情報をキャッチアップする必要があります。炎上リスクが伴うため、慎重な運用が求められます。効果測定やレポート作成に時間がかかることもあります。
バーチャルアシスタント
オンラインで様々な事務・秘書業務を代行する仕事です。
バーチャルアシスタント(VA)は、企業や個人事業主から依頼を受け、スケジュール管理、メール対応、資料作成、データ入力、リサーチ業務、経理補助など、幅広いバックオフィス業務をオンラインでサポートします。特定の専門スキル(Webサイト更新、SNS運用代行など)を持つVAもいます。
求められるスキルと知識
基本的なPCスキルとコミュニケーション能力が必要です。
Word、Excel、PowerPointなどの基本的なオフィスソフトの操作スキルは必須です。メールやチャットでの円滑なコミュニケーション能力、タスク管理能力、情報整理能力が求められます。依頼される業務内容に応じて、特定のスキルや知識が必要になる場合もあります。
メリット|多様な業務経験と柔軟な働き方
様々な業界や業務に触れることができます。
幅広い業務を経験することで、自身のスキルアップに繋がります。働く時間や場所を比較的自由に調整しやすく、ライフスタイルに合わせた働き方を実現しやすいです。特別な専門知識がなくても、事務経験があれば始めやすい点も魅力です。
デメリット|自己管理能力とコミュニケーションの重要性
複数のクライアントを抱えることが多いです。
複数のクライアントのタスクを同時に管理する必要があるため、高い自己管理能力が求められます。オンラインでのやり取りが中心となるため、丁寧で正確なコミュニケーションを心がける必要があります。単価が比較的低い案件もあります。
オンライン教師/コーチ
インターネットを通じて専門知識やスキルを教える仕事です。
オンライン教師やコーチは、語学、プログラミング、デザイン、音楽、フィットネス、ビジネススキルなど、自身の専門分野に関する知識やスキルを、オンラインレッスンやセミナー、個別指導といった形式で提供します。Zoomなどのビデオ会議ツールを活用し、場所を選ばずに指導できます。
求められるスキルと知識
専門分野の知識と指導力が求められます。
教える分野に関する深い知識や経験はもちろん、生徒に分かりやすく説明し、モチベーションを引き出す指導力が必要です。オンラインツールを使いこなすスキルや、カリキュラムを作成する能力、生徒とのコミュニケーション能力も重要になります。
メリット|専門知識を活かせるやりがい
自分の得意分野を活かして人に貢献できます。
自分の知識や経験を誰かに教え、その成長をサポートすることに大きなやりがいを感じられます。時間や場所に縛られずに、世界中の生徒を対象に指導できます。自分のペースで仕事量を調整しやすい点もメリットです。
デメリット|集客と信頼構築の難しさ
生徒を集めるのが最初のハードルです。
オンライン上には多くの教師やコーチが存在するため、自身の専門性や魅力をアピールし、生徒を集めるための工夫が必要です。オンラインでの指導は、対面と比べて信頼関係を築くのが難しい側面もあります。安定した収入を得るまで時間がかかることがあります。
写真家/映像クリエイター
写真や映像を通じてストーリーやメッセージを伝える仕事です。
写真家は、人物、風景、商品、イベントなど、様々な対象を撮影し、魅力的な写真作品を生み出します。映像クリエイターは、企画、撮影、編集までを一貫して行い、プロモーションビデオ、ドキュメンタリー、アート作品などの映像コンテンツを制作します。独自の視点や表現力が求められるクリエイティブな仕事です。
求められるスキルと知識
撮影技術と編集スキルが不可欠です。
カメラの操作技術、構図、ライティングなどの撮影に関する知識とスキルが必要です。写真の場合は、Adobe LightroomやPhotoshopなどの編集ソフト、映像の場合は、Adobe Premiere ProやFinal Cut Proなどの編集ソフトを使いこなすスキルも求められます。クライアントの要望を形にする力や、独自の作風を確立することも重要です。
メリット|創造性を追求できる自由な表現
自分の感性を活かして作品を創り出せます。
写真や映像という形で、自分の見た世界や感じたことを表現できます。美しい風景や感動的な瞬間を記録し、人々と共有できる喜びがあります。フリーランスとして活動する場合、働く時間や場所を比較的自由に選べます。
デメリット|機材投資と収入の不安定さ
高価な機材への投資が必要です。
プロレベルのカメラやレンズ、編集用PCなど、初期投資や維持費がかかります。フリーランスの場合、収入が不安定になりやすく、仕事を得るための営業活動も必要になります。天候や場所に左右されることもあります。
まとめ
海外ノマドとして働くためには、スキルや職種の選択が非常に重要です。
この記事で紹介した10の職種は、どれもリモートワークに適しており、自由な働き方を実現することができます。Webデザイナーやプログラマーのような専門技術職、ライターや翻訳者のような言語スキルを活かす職種、マーケティングや動画編集のようなクリエイティブな職種、そしてオンライン教師やバーチャルアシスタントのようなサポート職まで、選択肢は多岐にわたります。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の興味、スキル、ライフプランに合った職種を選ぶことで、理想の海外ノマド生活を実現させましょう。
事前の準備と継続的なスキルアップが、成功への鍵となります。