大英博物館が2023年9月30日から2024年1月31日まで、葛飾北斎の作品をNFTとして販売します。その詳細をご紹介します。
NFTとは何か?
NFTは「Non-Fungible Token(非代替性トークン)」の略で、ブロックチェーン技術を使用してデジタルアセットの所有権を証明するものです。
つまり、それぞれのNFTは一意であり、交換不可能です。これにより、デジタルアート作品の所有権を証明し、販売や交換が可能になります。
販売される作品の詳細
このNFT販売では、北斎の作品200点が対象となります。これらの作品は大英博物館が保有するコレクションであり、初めて一般に公開される作品も含まれています。
販売形式
NFTはフレンチスタートアップのLaCollection.ioとのパートナーシップを通じて販売されます。価格は固定価格とオークション形式があり、支払いは法定通貨と暗号通貨の両方が可能です。
NFTのカテゴリ
大英博物館の北斎のNFT販売では、それぞれの作品が以下の4つのカテゴリに分けられています。
ユニーク (Unique) | このカテゴリには、北斎の最も有名な作品の一つの画像が含まれます。これは一点のみ存在する特別なNFTです。 |
ウルトラレア (Ultra-Rare) | ウルトラレアカテゴリには、北斎の作品の2つの画像が含まれます。これらは数点しか存在しない限定的なNFTです。 |
リミテッド (Limited) | リミテッドカテゴリのNFTは、限定1,000点の北斎の作品の画像が含まれます。これらは数が限定されているものの、より多くの人々が所有できるようになっています。 |
コモン (Common) | コモンカテゴリには、北斎の作品の画像が10,000点含まれます。これらは最も手に入れやすいNFTであり、価格も約500ドルからと最も低価格に設定されています。 |
購入後のNFTの取り扱い
NFTを購入した後は、LaCollection.ioのプラットフォームだけでなく、openseas.ioなどの他のプラットフォームで再販することが可能です。
展示会と連携した取り組み
このNFT販売は、大英博物館で開催される北斎の展示会「北斎: 万物絵本大全図」の開催と同時期に行われます。この展示会では、未公開だった103点の北斎の素描が初めて公開されます。
この取り組みの一環として、展示会の作品の半分がデジタルイメージとしてNFTになり、残りの100点は博物館の広範なコレクションから選ばれます。これには、「北斎: 万物絵本大全図」の主題である、最近発見された本からの図面も含まれています。
大英博物館の目的
大英博物館のライセンシングマネージャー、クレイグ・ベンドル氏は、「博物館として新しい市場に常に適応し、伝統的なチャネルでは到達しきれない人々に接触する新しい方法を見つけることが重要です」と述べています。
また、LaCollectionの共同創設者であり起業家のジャン=セバスチャン・ボーキャンプ氏は、「私にとっては芸術を民主化することが重要です。これは博物館がより若く、より多様性のある、そしてより国際的な公衆を引きつける助けになる方法です」と述べています。
以上の事から、このNFT販売は、一般の人々が芸術にアクセスしやすくするという目的を果たし、また、博物館が新しい視聴者層を引きつけるための一つの手段ともなっています。
まとめ
大英博物館が提供する北斎のNFT販売は、芸術とテクノロジーが融合した新しい試みといえます。これにより、北斎の作品をデジタル形式で所有し、その価値を享受する機会が広く提供されます。
また、この取り組みは博物館が新しい視聴者層を引きつけ、芸術を民主化する一助となるでしょう。同時に、ブロックチェーン技術を活用した新たな市場への博物館の適応を示す事例ともなります。
北斎の作品を愛する人々、または新しい形式の芸術投資を探している人々にとって、このNFT販売は大きな興味を持つでしょう。