9月5日は、日本の歴史や文化において非常に多くの意味を持つ、特別な一日です。なぜなら、輝かしい栄誉が生まれた日であると同時に、大きな歴史的事件や他の記念日も重なっているからです。
私が特に注目しているのは、やはり王貞治選手の偉業をきっかけに制定された「国民栄誉賞の日」です。この記事では、9月5日が「なんの日」なのか、その多様な側面を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
国民栄誉賞の日|王貞治選手の偉業がきっかけ ⚾
9月5日といえば、多くの日本人が「国民栄誉賞の日」を思い浮かべます。これは、日本プロ野球界のレジェンド、王貞治選手の歴史的な記録達成を記念して制定された日です。
栄誉の誕生|1977年の出来事
国民栄誉賞は、1977年に創設された比較的新しい賞です。その直接的なきっかけは、当時読売ジャイアンツに所属していた王貞治選手が、1977年9月3日にホームラン通算756号の世界新記録を樹立したことでした。
この偉業は日本中に大きな感動と希望を与えました。当時の福田赳夫内閣は、この功績を称えるため新たな表彰制度を決定し、記録達成の2日後である9月5日に、王選手へ国民栄誉賞の第1号を授与しました。
どんな人が受賞した?|英雄たちの殿堂
国民栄誉賞は、「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があった者」に贈られます。これまでにスポーツ、文化、芸術など様々な分野のレジェンドたちが受賞しています。
スポーツ界の巨人たち
初代受賞者が王貞治選手であったように、スポーツ選手の受賞は非常に多いです。国民に感動を与えた功績が評価されています。
- 野球|衣笠祥雄、長嶋茂雄、松井秀喜
- 柔道|山下泰裕
- レスリング|吉田沙保里、伊調馨
- フィギュアスケート|羽生結弦
- サッカー|2011 FIFA女子ワールドカップ日本女子代表(なでしこジャパン)
- マラソン|高橋尚子
- 相撲|千代の富士貢、大鵬幸喜
- 車いすテニス|国枝慎吾
特に、東日本大震災後に国民を勇気づけた「なでしこジャパン」への団体受賞や、パラスポーツ界初となった国枝慎吾選手の受賞は、時代を象徴する出来事でした。
文化・芸術の巨匠たち
スポーツだけでなく、日本の文化を豊かにした人々も受賞しています。私が素晴らしいと思うのは、漫画家の長谷川町子先生が受賞している点です。
- 作曲家|古賀政男、服部良一、吉田正、遠藤実
- 歌手|美空ひばり、藤山一郎
- 俳優|長谷川一夫、渥美清、森光子、森繁久彌
- 映画監督|黒澤明
- 漫画家|長谷川町子
『サザエさん』が戦後の日本社会に与えた潤いと安らぎが評価されたことは、漫画文化の重要性を示しています。
近年の受賞傾向
最近では、将棋の羽生善治氏と囲碁の井山裕太氏が同時受賞しました。これは、知的競技の頂点を極めた功績が称賛されたことを意味します。
辞退した人もいた
国民栄誉賞は、その授与を辞退した人物も存在します。最も有名な例は、プロ野球選手のイチロー氏です。
彼は現役選手であることを理由に、複数回の打診を辞退しました。国家からの栄誉よりも個人の哲学を優先する姿勢も、国民に強い印象を与えました。
9月5日は他にもある!注目の記念日 📅
9月5日は国民栄誉賞の日以外にも、ユニークな記念日が制定されています。私が面白いと感じたのは、語呂合わせや国際的な意味を持つ記念日です。
クリーン・コール・デー|石炭の日
9月5日は「クリーン・コール・デー」です。これは「ク(9)リーン・コー(5)ル」という日本語の語呂合わせに由来します。
石炭は、日本の近代化や産業の発展を支えてきた重要なエネルギー源です。しかし、現代では地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出が問題視されています。
この記念日は、石炭のイメージアップを図るとともに、二酸化炭素の排出を抑える「クリーンコール技術」をPRする目的で制定されました。
国際チャリティー・デー|マザー・テレサの日
9月5日は、国連が定めた「国際チャリティー・デー」です。これは、1997年のこの日に亡くなったマザー・テレサを記念しています。
マザー・テレサは、その生涯をインドの貧しい人々のために捧げ、世界中に慈愛の精神を広めました。この日は、世界中で慈善活動やボランティアの重要性を再認識する日となっています。
ライトニング・マックィーン・デイ 🚗
少し変わったところでは、「ライトニング・マックィーン・デイ」もあります。これは、ディズニー・ピクサー映画『カーズ』の主人公マックィーンのゼッケンナンバー「95」が、9月5日(9/5)に通じることから制定されました。
9月5日の歴史的な出来事 📜
9月5日には、日本の進路に大きな影響を与えた歴史的な出来事も起きています。栄光だけでなく、時には苦い記憶も含まれます。
1905年|ポーツマス条約と日比谷焼打事件
1905年のこの日、日露戦争の講和条約である「ポーツマス条約」が調印されました。日本は勝利したものの、国民が期待していた賠償金が得られませんでした。
この結果に不満が爆発した国民は、同日に東京の日比谷公園で講和反対の国民大会を開き、それが暴徒化しました。交番や内務大臣官邸などが襲撃・放火される「日比谷焼打事件」へと発展し、翌日には戒厳令が布告される大騒乱となりました。
1953年|映画『雨月物語』が銀獅子賞受賞
1953年の9月5日には、溝口健二監督の映画『雨月物語』が、ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞しました。
黒澤明監督の『羅生門』に続く快挙であり、日本映画が世界的な芸術として認められる「黄金時代」の到来を告げる出来事でした。
1962年|金田正一投手の奪三振記録
1962年のこの日、国鉄スワローズ(当時)の金田正一投手が、通算3509奪三振の世界新記録(当時)を樹立しました。
王貞治選手の国民栄誉賞よりも前に、プロ野球選手が達成した偉大な金字塔として記憶されています。
1977年|ボイジャー1号打ち上げ 🚀
世界に目を向けると、1977年のこの日、アメリカの惑星探査機「ボイジャー1号」が打ち上げられました。人類の宇宙探査における重要な一歩です。
9月5日生まれの著名人・芸能人 🎂
9月5日は、多くのスターや偉人が誕生した日でもあります。私が驚いたのは、国内外のビッグネームが揃っている点です。
国内の著名人・芸能人
日本のエンターテインメント界や文化・学術分野で活躍する多くの方々が生まれています。
- 草刈正雄(俳優)
- 仲村トオル(俳優)
- 伊達みきお(お笑いタレント / サンドウィッチマン)
- 山本博(お笑いタレント / ロバート)
- 齊藤京子(タレント、歌手 / 元 日向坂46)
- 和田雅成(俳優)
- 國府田マリ子(声優)
- 若林豪(俳優)
- 棟方志功(版画家)
- 利根川進(生物学者 / ノーベル生理学・医学賞受賞者)
海外の著名人
世界的なアーティストやアスリートもこの日に生まれています。
- フレディ・マーキュリー(ミュージシャン / クイーン)
- キム・ヨナ(元フィギュアスケート選手)
- マイケル・キートン(俳優)
まとめ
9月5日は、王貞治選手の偉業を称える「国民栄誉賞の日」として、日本国民にとって特別な意味を持つ記念日です。
同時に、「クリーン・コール・デー」のような産業的な側面や、「国際チャリティー・デー」といった人道的な側面も持っています。日比谷焼打事件のような歴史の転換点でもあり、フレディ・マーキュリーや伊達みきおさんのようなスターが生まれた日でもあります。
このように、9月5日は栄光、文化、歴史、産業が交錯する、非常に多層的で興味深い一日だと言えます。
