8月13日と聞くと、多くの日本人が「お盆の始まり」を思い浮かべるでしょう。夕暮れ時に迎え火を焚き、ご先祖様の霊をお迎えする。これは、家族の絆を再確認する古くからの大切な習慣です。
しかし、私がこの日付を深く調べてみると、世界史を揺るがした出来事や、現代的な記念日など、全く異なる側面が見えてきました。例えば、ベルリンの壁が築かれ始めた日であり、国際左利きの日でもあります。
この記事では、8月13日という一日が持つ、静かな伝統から歴史の転換点まで、その多様な顔を網羅的に解説します。
迎え盆|ご先祖様の霊をお迎えする大切な日 😌
日本の文化において、8月13日はお盆の期間が本格的に始まる「迎え盆」として非常に重要です。ご先祖様の霊を家族のもとへお迎えし、数日間を共に過ごすための入り口となる日です。
私が思うに、この行事の核心は、目に見えない存在との繋がりを大切にする日本人の精神性にあります。
迎え火の儀式とは? 🔥
迎え盆の中心的な儀式が「迎え火」です。ご先祖様の霊が迷わずに自宅へ帰ってこられるよう、目印として火を焚きます。
一般的に、夕方の17時から19時頃に、家の門口や玄関先で行われます。「おがら」と呼ばれる麻の茎を乾燥させたものを「焙烙(ほうろく)」という素焼きの皿の上で燃やすのが伝統的な方法です。この煙に乗って、ご先祖様が帰ってくると信じられています。
現代のマンションなど火を焚くのが難しい住環境では、盆提灯(ぼんぢょうちん)に明かりを灯すことで迎え火の代わりとします。形は変わっても、ご先祖様を敬う心は同じです。
精霊棚(盆棚)の準備 🥒🍆
ご先祖様をお迎えするために、特別な祭壇である「精霊棚(しょうりょうだな)」、または「盆棚(ぼんだな)」を準備します。8月13日の朝までには設えるのが一般的です。
精霊棚には、真菰(まこも)のござを敷き、位牌を安置します。水や季節の野菜、果物、そうめんなどをお供えします。
特に象徴的なお供え物が、キュウリとナスで作る「精霊馬(しょうりょううま)」です。
- キュウリの馬|足の速い馬に見立て、ご先祖様に一刻も早く帰ってきてほしいという願いを込めます。
- ナスの牛|歩みの遅い牛に見立て、お盆の終わりにはゆっくりとあの世へ帰れるように、お供え物をたくさん積んで帰れるようにという願いを込めます。
お盆の時期はなぜ地域で違う? 🗓️
お盆の時期が地域によって異なることに疑問を持ったことはありませんか。これは明治時代の改暦(旧暦から新暦への移行)が影響しています。
| 時期 | 通称 | 迎え盆の日 | 主な地域 | 背景 |
| 7月盆 | 新盆(しんぼん) | 7月13日 | 東京都、神奈川県・静岡県の一部 | 新暦の日付をそのまま採用した都市部 |
| 8月盆 | 旧盆(きゅうぼん) | 8月13日 | 日本のほとんどの地域 | 農繁期を避けた「月遅れ」が定着 |
| 旧暦盆 | 旧暦盆 | 毎年変動 | 沖縄県、奄美地方など | 伝統的な旧暦(太陰太陽暦)を維持 |
全国の大多数が8月盆を実践している事実は、生活のリズムが暦の変更よりも文化の形成に強く影響したことを示しています。
8月13日の現代的な記念日 🌍
8月13日は、伝統行事だけでなく、現代社会の価値観を反映した新しい記念日でもあります。
私が注目するのは、マイノリティへの配慮や地域振興といった、現代ならではの目的意識から生まれた記念日です。
国際左利きの日|右利き社会への問いかけ ✋
8月13日は「国際左利きの日(International Lefthanders’ Day)」です。これは、右利き用に設計された社会で左利きの人々が直面する不便さへの理解を深めるために制定されました。
1992年にイギリスの「Left-Handers Club」によって提唱された記念日です。はさみや自動改札など、日常生活で左利きの人が感じるストレスや危険性を認識し、改善を呼びかける日です。
ちなみに、日本には2月10日(レ(0)フ(2)ト(10))という日本独自の「左利きの日」もあります。8月13日がお盆と重なり活動しにくいために設けられました。
函館夜景の日|「や(8)けい(13)」の語呂合わせ ✨
日本国内で生まれたユニークな記念日が「函館夜景の日」です。函館の美しい夜景を全国、世界へアピールする目的で制定されました。
日付の由来は、「8(や)」とトランプのキングになぞらえた「13(けい)」を組み合わせた語呂合わせです。地域の文化資産を観光資源として活用する、地域ブランディング戦略の一つと言えます。
その他の記念日 📅
8月13日には、他にもいくつかの記念日があります。
- 怪談の日|怪談家の稲川淳二氏が、自身の怪談イベントの初回公演日にちなんで制定しました。
- 独立記念日(中央アフリカ)|1960年にフランスから独立したことを記念する祝日です。
- 女性の日(チュニジア)|1956年に個人の身分法が制定されたことを記念する祝日です。
歴史が動いた日|8月13日の転換点 📜
静かな伝統とは対照的に、世界の歴史において8月13日は、対立と分断が形になった日として記憶されています。
ご先祖様との「繋がり」を思う日に、世界では「断絶」が起きていたという事実は、私が歴史の皮肉を感じる点です。
1961年|ベルリンの壁建設開始 🧱
1961年8月13日未明、東ドイツ政府は東西ベルリン間の境界線を封鎖し、有刺鉄線を張り巡らせました。これが「ベルリンの壁」の始まりです。
この壁は、東ドイツからの国民の流出を防ぐために建設されました。多くの家族や友人が引き裂かれ、冷戦というイデオロギー対立の最も醜い象徴となりました。
1937年|第二次上海事変勃発 💥
1937年8月13日、国際都市であった上海で日中両軍が衝突し、大規模な戦闘へと発展しました。これが第二次上海事変です。
この出来事は、それまでの局地的な紛争とは異なり、日中戦争が全面戦争へと突入する決定的な転換点となりました。
日本の近代史における8月13日 🇯🇵
日本の近代史においても、8月13日は重要な出来事が起きた日です。
- 1926年|八木秀次が「八木アンテナ」の特許を取得しました。
- 1927年|日本初のスポーツ実況ラジオ放送(甲子園の野球大会)が行われました。
- 1952年|日本がIMF(国際通貨基金)と世界銀行に加盟し、戦後の国際経済社会へ復帰しました。
- 1999年|国旗国歌法が公布・施行されました。
8月13日にまつわる人々 ✨
この日というキャンバスには、多くの著名人たちの生と死も刻まれています。
文化や歴史に大きな影響を与えた人々を紹介します。
8月13日の誕生石 💎
8月13日の誕生石については、残念ながら統一された見解はありません。366日の誕生石は公式に定められたものではなく、様々な解釈が存在するためです。
いくつかの説として挙げられている8月13日の誕生石には、以下のようなものがあります。
- イエロー・ジルコン|石言葉「産みの悲しみ」
- ルビー|石言葉「情熱」「純愛」「勇気」
- タイガーアイ|石言葉「洞察力」「決断力」「富」
- シトリン|石言葉「繁栄」「成功」「富」
参考までに、8月の月間誕生石はペリドット、スピネル、サードオニキスです。
8月13日生まれの著名人・芸能人 🎂
この日に生を受けた著名人を、国内外問わず紹介します。
日本の著名人・芸能人
- 篠原 涼子(女優、歌手)
- 近藤 芳正(俳優)
- 伊藤 みどり(元フィギュアスケート選手)
- 高橋 ジョージ(歌手 / THE 虎舞竜)
- 杉村 太蔵(元政治家、タレント)
- Saori(ミュージシャン / SEKAI NO OWARI)
- 宮澤 佐江(タレント、元AKB48/SKE48)
- ジェミン(歌手 / NCT)
- 樫山 文枝(女優)
- 林家 パー子(タレント)
- 佐野 浅夫(俳優)
- 桂 枝雀 (2代目)(落語家)
海外の著名人・芸能人
- アルフレッド・ヒッチコック(映画監督)
- フィデル・カストロ(革命家)
- セバスチャン・スタン(俳優)
- ジェームズ・モリソン(シンガーソングライター)
- キャスリーン・バトル(ソプラノ歌手)
8月13日が命日の著名人 🕯️
歴史に名を刻み、この日にこの世を去った人々もいます。
- フローレンス・ナイチンゲール(1910年没)|近代看護の礎を築いた「ランプの貴婦人」です。
- H.G.ウェルズ(1946年没)|『タイム・マシン』などで知られる「SFの父」です。
- 池田 勇人(1965年没)|「所得倍増計画」を掲げた元内閣総理大臣です。
- ウジェーヌ・ドラクロワ(1863年没)|フランスのロマン主義を代表する画家です。
まとめ
8月13日は、日本人にとって「迎え盆」というご先祖様との繋がりを再確認する静謐な日です。
その一方で、世界に目を向ければ「ベルリンの壁」の建設が始まった分断の日であり、「国際左利きの日」のような現代的な意義を持つ日でもあります。
私がこの記事で伝えたかったのは、たった一日の中にも、伝統、歴史、文化、そして多くの人々の生涯が複雑に織り交ざっているという事実です。8月13日という日付が持つ多様な側面を知ることは、私たちが共有する経験の豊かさと複雑さを理解することに繋がります。

