7月6日と聞いて、多くの日本人が真っ先に思い浮かべるのは『サラダ記念日』に違いありません。私が学生の頃、このフレーズは社会現象と言えるほどのブームでした。
しかし、この日は単なる短歌の記念日だけではありません。世界を見渡せば歴史的な出会いや、国家の独立など、重要な出来事が凝縮された一日といえます。
この記事では、7月6日の記念日、歴史、誕生石、そして生まれの有名人について詳しく解説します。
7月6日の記念日|日本中が口ずさんだあのフレーズ
7月6日は、日本の文化や産業においてユニークな記念日が制定されています。それぞれの由来を知ることで、この日の見え方が変わってくるはずです。
社会現象になった『サラダ記念日』
この日が特別な意味を持つようになったのは、歌人・俵万智氏の第一歌集『サラダ記念日』がきっかけです。1987年に出版され、280万部という空前の大ベストセラーとなりました。
もっとも有名な一首が、この記念日の由来となっています。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
この短歌が画期的だったのは、なんでもない日常の会話を「記念日」に変えてしまった点です。恋人との些細なやり取りを特別視する感性は、当時の若者を中心に熱狂的な支持を集めました。
現代においても、この日は「日常の幸せを再確認する日」として愛され続けています。特別なイベントがなくても、食事の味を褒め合うだけで、その日は記念日になり得るのです。
趣味と産業を支える多彩な記念日
7月6日には、私たちの生活や趣味に関連する記念日が多く存在します。意外な語呂合わせや歴史的背景から生まれた日を紹介します。
| 記念日名 | 由来・概要 |
|---|---|
| ナンの日 | 「7(な)と6(ん)」の語呂合わせ。インド料理のナンをPRする日 |
| ピアノの日 | シーボルトが日本に初めてピアノを持ち込んだとされる記述に由来 |
| 公認会計士の日 | 1948年のこの日に「公認会計士法」が制定されたことにちなん |
| 零戦の日 | 零式艦上戦闘機の試作機が試験飛行を始めた日とされる |
特に「ナンの日」は、近年のカレーブームと相まって認知度が高まっています。日本独自の食文化として定着したナンを、この日にあえて選んで食べるのも一興です。
さらに、7月7日の七夕の前日であることから「思いやり手洗い洗車の日」とも呼ばれます。彦星が織姫に会うために牛車を洗うという伝説になぞらえ、愛車を丁寧に洗う日とされています。
命を守る『ワクチンの日』と『世界人獣共通感染症デー』
7月6日は、医学の歴史において記念碑的な一日でもあります。1885年のこの日、ルイ・パスツールが開発した狂犬病ワクチンが、初めて少年に接種されました。
この成功は、人類が感染症に対して科学的な勝利を収めた象徴的な出来事です。現在では「世界人獣共通感染症デー」としても知られ、動物から人へ感染する病気への正しい知識を啓発する日となっています。
歴史的瞬間と世界の動き|7月6日に起きた出来事
日本国内だけでなく、世界に目を向けると、7月6日は文化や政治が大きく動いた転換点であることがわかります。
ポップカルチャーのビッグバン
音楽ファンにとって、7月6日は「神話」が始まった日として記憶されています。1957年のこの日、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが運命的な出会いを果たしました。
リバプールの教会の催しで出会った二人の若者が、後にビートルズを結成し世界を変えることになります。もしこの日がなければ、現代のポピュラー音楽は全く違った形になっていたといっても過言ではありません。
二人の出会いは単なる偶然ではなく、若者文化が爆発する予兆でした。この日は、新しいカルチャーが生まれるエネルギーに満ちています。
国家の誇りと独立の記憶
世界各地では、この日を国家のアイデンティティを祝う日として定めています。特にアフリカ諸国や旧ソ連圏の国々にとっては、主権に関わる重要な一日です。
- マラウイ共和国:1964年にイギリスから独立
- コモロ連合:1975年にフランスから独立
- リトアニア:建国の父ミンダウガス王の戴冠を記念する「国家の日」
- カザフスタン:首都アスタナ(現ヌルスルタン)への移転を記念する「首都の日」
これらの国々では、パレードや式典が盛大に行われます。独立や建国を祝う人々の熱気は、7月6日という日付に重みを与えています。
平和への祈りと歴史の影
輝かしい歴史の一方で、決して忘れてはならない悲劇の記憶もこの日には刻まれています。
1942年の7月6日、アンネ・フランクの一家がナチスの迫害を逃れるため、アムステルダムの隠れ家での生活を始めました。あの有名な日記が本格的に綴られ始めたのも、この隠れ家生活からです。
さらに1995年には、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争においてスレブレニツァの悲劇が始まりました。これらの事実は、平和の尊さと、差別や対立がもたらす恐怖を私たちに静かに訴えかけています。
7月6日生まれの有名人と誕生石
この日に生まれた人々は、カリスマ性や強い意志を持つ傾向があります。また、誕生石には魔除けの強い力が宿っているのが特徴です。
悲しみを癒やす誕生石『アパッチ・ティアーズ』
7月6日の誕生石は、少し珍しい「アパッチ・ティアーズ(Apache Tears)」です。これは黒曜石(オブシディアン)の一種で、光にかざすと半透明に見える神秘的な石です。
名前の由来は、アメリカ先住民アパッチ族の伝説にあります。戦いに敗れた戦士たちの家族が流した涙が、大地に落ちて石になったと言い伝えられています。
- 石言葉:「不思議な力」「魔除け」「悲しみを癒やす」「危険回避」
- 効果:持ち主の悲しみを代わりに引き受け、二度と涙を流させないよう守ってくれる
非常に強力な魔除けの石として知られています。ネガティブな感情を取り除きたい時や、精神的な強さが欲しい時に身につけると良いでしょう。
ちなみに、7月全体の誕生石は情熱の象徴である「ルビー」です。
時代を彩る7月6日生まれの著名人
この日生まれた有名人は、各分野でトップを極めた実力者が揃っています。
日本の芸能人・著名人
日本のエンターテインメント界でも、個性的な才能を持つ人々がこの日に生まれています。
- とよた真帆(女優|1967年)
- 大西結花(女優・歌手|1968年)
- 黒羽麻璃央(俳優|1993年)
- 小野花梨(女優|1998年)
- 瀬川瑛子(演歌歌手|1948年)
- 五郎丸亮(元ラグビー日本代表|1986年)
海外のスターと歴史的指導者
世界に目を向けると、強烈なリーダーシップや肉体派のスターが名を連ねています。
- シルベスター・スタローン(俳優『ロッキー』|1946年)
- 50セント(ヒップホップMC|1975年)
- ジョージ・W・ブッシュ(第43代アメリカ大統領|1946年)
- ダライ・ラマ14世(チベット仏教指導者|1935年)
- フリーダ・カーロ(画家|1907年)
7月6日に旅立った音楽の巨人たち
誕生だけでなく、この日に世を去った偉大な音楽家たちについても触れておきます。彼らの功績は今も色褪せません。
- ルイ・アームストロング(ジャズミュージシャン|1971年没)
- エンニオ・モリコーネ(映画音楽の巨匠|2020年没)
ジャズの王様「サッチモ」と、映画音楽の巨匠が同じ命日であることは、音楽史における不思議な因縁を感じさせます。
まとめ

7月6日は、『サラダ記念日』のように日常の幸せを噛み締める日であり、同時に世界の歴史が大きく動いた日でもあります。
- 日常の小さな幸せを「記念日」にする心の余裕を持つ
- ナンの日や洗車の日など、趣味や食を楽しむ
- 歴史的な出会いや平和について思いを馳せる
今夜は、食卓にサラダを並べてみてはいかがでしょうか。「この味がいいね」という一言が、あなたの今日を特別な記念日に変えてくれるはずです。

