9月23日と聞くと、あなたは何を思い浮かべますか。多くの人にとっては国民の祝日である「秋分の日」としてお馴染みの日です。私が思うに、この日は秋のお彼岸の中日でもあり、ご先祖様に思いを馳せる静かな一日という印象が強いです。
しかし、9月23日の持つ意味はそれだけではありません。宇宙の彼方での大発見から、私たちの生活に身近なあの企業の誕生まで、実に多様な顔を持つ日です。この記事では、9月23日がどのような日なのか、その深い背景や意外な記念日について徹底的に解説します。
9月23日は「秋分の日」｜祖先を敬う大切な祝日 🍂
9月23日は、多くの年で「秋分の日」という国民の祝日にあたります。これは日本の文化にとって非常に重要な意味を持つ一日です。
秋分の日とは？｜昼と夜の長さがほぼ同じになる日
秋分の日は、太陽が秋分点を通過する日です。天文学的には、この日に昼と夜の長さがほぼ同じになるとされています。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がある通り、この日を境に夏の暑さが和らぎ、秋が深まっていく季節の大きな節目です。私が感じるのは、気候的にも過ごしやすくなり、物思いにふけったり、静かに内省したりするのにふさわしい時期の始まりだということです。
祝日はどう決まる？｜国立天文台の計算
秋分の日は、春分の日と同様に日付が固定されていません。その年によって9月22日になることもあれば、23日になることもあります。
この日付は、国立天文台が作成する「暦象年表」という資料に基づき、前年の閣議によって正式に決定されます。天体の運行という、宇宙の法則に基づいて国の祝日が決まるのは、非常に興味深い点です。
もともとは「秋季皇霊祭」
秋分の日は、1948年に「国民の祝日に関する法律」が施行される前は、「秋季皇霊祭（しゅうきこうれいさい）」と呼ばれていました。これは、歴代の天皇や皇族の御霊を祀る宮中祭祀の大祭日でした。
戦後、この日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日として、国民全体の祝日「秋分の日」へと生まれ変わりました。皇室の伝統が、形を変えて現代の私たちに受け継がれているわけです。
お彼岸の中日｜お墓参りとおはぎの習慣
秋分の日は、「お彼岸」の7日間のちょうど真ん中の日（中日）にあたります。お彼岸は、仏教的な考え方に由来する日本独自の風習です。
お墓参りの意味｜此岸と彼岸
仏教では、私たちが生きるこの世を「此岸（しがん）」、ご先祖様がいる悟りの世界を「彼岸（ひがん）」と呼びます。秋分の日は太陽が真西に沈むため、彼岸が此岸に最も近くなる日と考えられています。
このため、多くの人々がこの時期にお墓参りをします。家族で墓石を清め、花や線香を供えて手を合わせる姿は、日本の秋の原風景と言えます。
なぜ「おはぎ」を食べる？｜小豆の力
お彼岸の食べ物といえば、「おはぎ」です。これは、もち米を小豆（あずき）あんで包んだ和菓子です。
秋に咲く「萩（はぎ）」の花にちなんで「おはぎ」と呼ばれます（春は牡丹にちなんで「ぼたもち」です）。古来、小豆の赤い色には邪気を払う力があると信じられてきました。ご先祖様への供物として、また家族の健康を願う食べ物として、おはぎは欠かせない存在です。
科学と文化の記念日｜9月23日に起きたこと 📜
9月23日は、静かな追憶の日であると同時に、人類の知的好奇心や文化が大きく前進した日でもあります。私が特に注目している記念日をいくつか紹介します。
メインテーマ｜海王星発見の日 🌌
この記事のタイトルにもなっている通り、9月23日は「海王星の日」です。1846年のこの日、ドイツのベルリン天文台で天文学者ヨハン・ガレが海王星を発見しました。
この発見が歴史的なのは、偶然見つかったのではなく、数学的な計算によってその存在が予測されていた点です。フランスの天文学者ルヴェリエが、天王星の軌道のズレから未知の惑星の存在を予測し、その通りの場所で発見されました。人間の知性が、太陽系の果てにまで到達した瞬間でした。
万年筆の日｜筆記具の革命
1809年の9月23日、イギリスの発明家フレデリック・B・フォルシュが、軸内にインクを貯蔵できる筆記具に関する特許を取得しました。これが「万年筆の日」の由来です。
ペン先にインクをいちいち付けずに書き続けられるこの発明は、筆記の効率を劇的に高めました。現代の万年筆の原型とも言えるこの技術革新が、今日の私たちの「書く」文化を支えています。
不動産の日｜暮らしを支える記念日
少し身近な話題として、9月23日は「不動産の日」でもあります。これは全国宅地建物取引業協会連合会が1984年に制定しました。
9月は不動産取引が活発になる時期であることと、「ふ(2)どう(10)さん(3)」の語呂合わせ（2+10+3=15ではなく、ここは諸説ありますが秋の月であることから9月、23日は「ふ(2)どう(10)さん(3)」を足し合わせた数字から来ているという説もありますが、より一般的には9月が取引シーズンであること、23日＝ふどうさん、という当て字的なものです）でこの日が選ばれました。私たちの生活の基盤である「住」に関する大切な日です。
手話言語の国際デー｜コミュニケーションの多様性
9月23日は、国連が定める「手話言語の国際デー（International Day of Sign Languages）」です。これは、手話の重要性や、ろう者の権利についての認識を高めるための国際デーです。
世界ろう連盟が設立された日を記念しています。言語の多様性を尊重し、誰もがコミュニケーションに参加できる社会を目指す上で、非常に意義深い日です。
歴史が動いた日｜日本を代表する企業の誕生 🏢
9月23日は、追憶や発見だけでなく、「始まり」の日でもありました。特に日本では、今や世界に冠たる大企業がこの日に産声を上げています。
任天堂の創業｜花札から世界へ 🎮
1889年（明治22年）の9月23日、京都で「任天堂骨牌（にんてんどうこっぱい）」が創業されました。創業者・山内房治郎が始めたのは、花札の製造・販売でした。
「運を天に任せる」という社名の由来を持つこの会社が、後に「ファミリーコンピュータ」や「Nintendo Switch」を生み出し、世界中の人々を魅了するエンターテイメント企業になるとは、当時は誰も想像しなかったでしょう。私が思うに、日本のものづくりの原点とも言える歴史的な一日です。
サッポロビールの前身設立｜日本のビール文化の礎 🍺
1876年（明治9年）の9月23日、政府の北海道開拓使によって「開拓使麦酒醸造所」が札幌に設立されました。これが、現在のサッポロビールの直接の前身です。
日本の近代化と西洋文化の導入を目指す中で始まったこの事業は、今や日本を代表するビールブランドへと成長しました。私たちが愛飲するビールの歴史も、この日から始まっています。
スポーツ史に残る偉業 ⚾
9月23日は、スポーツファンにとって忘れられない記録が生まれた日でもあります。
- 1964年｜読売ジャイアンツの王貞治選手が、シーズン55号本塁打を放ち、当時の日本プロ野球記録を樹立しました。
- 2010年｜シアトル・マリナーズのイチロー選手が、メジャーリーグ史上初となる10年連続シーズン200安打の金字塔を打ち立てました。
国内外の舞台で達成されたこれらの偉業は、9月23日をさらに輝かしいものにしています。
9月23日生まれの著名人・芸能人 🎂
この日を誕生日に持つ方々も、非常に豪華な顔ぶれです。国内外で活躍する多くのスターが9月23日生まれです。
国内のアーティスト・タレント 🎤
- 稲葉浩志（B’z、ミュージシャン）
- 後藤真希（元モーニング娘。、歌手・タレント）
- 島袋優（BEGIN、ミュージシャン）
- 谷内伸也（Lead、歌手）
- 鈴木杏樹（女優）
- 川平慈英（俳優・タレント）
- 床嶋佳子（女優）
- 木村了（俳優）
- イジリー岡田（お笑いタレント）
- 渡部建（アンジャッシュ、お笑いタレント）
- 叶美香（タレント）
世界のレジェンドたち 🌟
- ブルース・スプリングスティーン（アメリカのミュージシャン）
- レイ・チャールズ（アメリカのミュージシャン）
- ジョン・コルトレーン（アメリカのジャズ・サックス奏者）
- アンソニー・マッキー（アメリカの俳優）
スポーツ界のアスリート ⚽
- 中山雅史（元サッカー選手）
- 川澄奈穂美（女子サッカー選手）
K-POP 🎤
- キー (Key)（SHINee）
まとめ
9月23日は、私たちが認識している以上に、深く、そして多様な意味を持つ一日です。
ご先祖様を敬う「秋分の日」という日本の伝統的な側面。海王星の発見という人類の知性の勝利を示す側面。任天堂やサッポロビールといった、現代の日本文化を築いた企業の「始まり」の側面。
一つの日付に、これほど多くの物語が詰まっていることに、私は改めて驚きを感じます。静かに故人をしのびつつ、遠い宇宙や歴史的な偉業に思いを馳せてみる。そんな風に9月23日を過ごしてみるのも、豊かな時間の使い方ではないでしょうか。