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草壁シトヒ
くさかべしとひ
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二十四節気「秋分」から始める心の整え方|六波羅蜜で自分を磨き🙏🍂

暑さが和らぎ、ふと夜風に秋の気配を感じる瞬間が増えてきました。私が一年の中で最も心が落ち着くと感じているのが、この「秋分」の時期です。

秋分は単なるカレンダー上の祝日ではありません。昼と夜の長さがほぼ同じになるこの日は、自然界の陰陽バランスが整う特別なタイミングといえます。この時期に私たちの心と体をどう整えるかで、これから迎える冬への健やかさが変わってくると私は考えています。

今回は、天文学的な視点や仏教の教え、そして食文化を通して、秋分を深く味わうためのヒントをお届けします。

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秋分とは何か|昼夜のバランスと季節の変わり目

秋分は二十四節気の一つで、太陽が真東から昇り真西に沈む日を指します。この日を境に夜が少しずつ長くなり、季節は本格的な秋へと移ろいでいきます。

天文学から見る秋分の仕組み

秋分の日付は毎年固定されているわけではありません。地球が太陽の周りを回る公転周期が正確に365日ではないため、そのズレを調整する必要があるからです。

国立天文台が前年の2月に「暦要項」を発表することで、正式な日付が決定されます。天文学的には太陽が「秋分点」を通過する瞬間を含む日が秋分の日となります。

私たちの生活リズムも、この太陽の動きに合わせて少しずつ変化させる必要があります。夏の活動的なエネルギーから、秋の静かなエネルギーへとシフトチェンジする絶好の機会といえるでしょう。

七十二候が教える自然界のサイン

二十四節気をさらに細かく分けた「七十二候」を見ると、秋分の時期の自然の変化が手に取るように分かります。昔の人は、これほどまでに微細な変化を感じ取っていたのかと感心させられます。

秋分の期間は、以下の3つの変化で表現されます。

  • 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)|夏の入道雲と共に鳴り響いていた雷が収まり、秋晴れの空が広がります。
  • 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)|虫たちが冬ごもりのために土の中に潜り、巣穴の戸をふさぎ始めます。
  • 水始涸(みずはじめてかるる)|田んぼの水を落とし、稲刈りの準備を始める頃合いを示します。

これらはすべて、自然界が「拡散」から「凝縮」へと向かっているサインです。私たち人間も、外に向いていた意識を自分の内側へと向けるべきタイミングなのです。

六波羅蜜(ろくはらみつ)で心を整える|お彼岸の過ごし方

秋分の日を中日(ちゅうにち)とした前後3日間、計7日間を「秋のお彼岸」と呼びます。私はこの期間を、自分自身の心をメンテナンスする「精神的な強化週間」と捉えています。

彼岸と此岸|あの世とこの世が近づく時

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、お彼岸は気候の変わり目であると同時に、精神的な境界線でもあります。仏教では、私たちの住む煩悩の世界を「此岸(しがん)」、悟りの世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。

太陽が真西に沈む秋分の日は、西方にあるとされる極楽浄土(彼岸)への道が最も通じやすくなると考えられてきました。ご先祖様に感謝を伝えるとともに、自分自身も彼岸(悟りの境地)に近づくよう努力する期間なのです。

六波羅蜜の実践|6つの徳目

お彼岸の期間中に実践すべきとされるのが「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という6つの修行です。修行といっても滝に打たれるような厳しいものではなく、日常生活の中で心がけるべき道徳のようなものです。

私はこの6つを意識するだけで、日々のストレスが驚くほど軽減されると感じています。

徳目読み意味
布施ふせ見返りを求めず、親切にすること
持戒じかいルールを守り、規律ある生活を送ること
忍辱にんにく辛いことがあっても、怒らず耐えること
精進しょうじん誠実に努力を続けること
禅定ぜんじょう心を静めて、自分を見つめ直すこと
般若はんにゃ真実を見抜く智慧を磨くこと

布施と持戒|他者への愛と自己の規律

布施は、金銭的な寄付だけを指すのではありません。笑顔で接する「和顔施(わげんせ)」や、優しい言葉をかけることも立派な布施です。

持戒は、暴飲暴食を控えたり、約束を守ったりすることです。これらを意識することで、人間関係が円滑になり、自分自身の生活リズムも整います。

忍辱と精進|心の強さと継続する力

忍辱は、嫌なことがあってもカッとせず、一呼吸置く心の余裕を持つことです。アンガーマネジメントの元祖ともいえる考え方でしょう。

精進は、やるべきことに集中して取り組む姿勢です。結果を焦らず、目の前の課題に丁寧に向き合うことが、心の安定につながります。

禅定と般若|静寂と智慧

忙しい現代人にとって最も必要なのが、この禅定かもしれません。スマホを置いて、静かに目を閉じる時間を数分でも作ってみてください。

心が静まることで、物事の本質が見えてくるのが般若(智慧)です。情報過多な現代だからこそ、静寂の中で得られる直感や気づきを大切にしたいものです。

地域と食で感じる秋分|おはぎと屋敷の御願

日本には、秋分にまつわる独自の風習や食文化が根付いています。地域ごとの違いや食べ物に込められた願いを知ると、秋分がより味わい深いものになります。

沖縄の「屋敷の御願(ヤシチヌウグァン)」

私が特に興味深いと感じているのが、沖縄に残る「屋敷の御願」という習慣です。本土ではお墓参りが一般的ですが、沖縄では家の敷地を守る神々に感謝を捧げます。

屋敷の御願では、以下の神々を巡拝します。

  • ヒヌカン(火の神)|台所にいる家全体の守護神
  • ユンシヌカミ(四隅の神)|屋敷の東西南北を守る神
  • ジョウヌカミ(門の神)|外部からの邪気を防ぐ神
  • フールヌカミ|トイレの神様

家という空間そのものを聖なる場所として扱い、結界を張り直すような儀式です。私たちも秋分の日には、家の四隅や玄関を念入りに掃除して、家への感謝を表してみるのも良いでしょう。

「おはぎ」と「ぼたもち」の違い

秋分に欠かせない食べ物といえば「おはぎ」です。小豆の赤色には魔除けの力があると信じられており、災難から身を守る願いが込められています。

よく話題になる「おはぎ」と「ぼたもち」の違いですが、基本的には同じ食べ物です。季節の花に合わせて呼び名が変わるという、日本人の繊細な感性が表れています。

特徴秋の彼岸春の彼岸
名称お萩(おはぎ)牡丹餅(ぼたもち)
由来秋に咲く「萩(ハギ)」春に咲く「牡丹(ボタン)」
形状小ぶりで俵型大きく丸い形
あんこつぶあんこしあん

伝統的には、秋は収穫したばかりの小豆の皮が柔らかいため「つぶあん」にします。春は冬を越して皮が硬くなった小豆を使うため、皮を取り除いて「こしあん」にするという合理的な理由がありました。

今の時期は、ぜひ「つぶあん」のおはぎを選んで、収穫の恵みと魔除けのパワーをいただいてください。

秋分は「リセット」の好機

秋分は、自然界がバランスを取り戻すタイミングであり、私たち人間にとっても心身をリセットする絶好の機会です。

日が短くなり、夜が長くなるこれからの時期は、自分の内面と向き合う時間が増えていきます。今回ご紹介した「六波羅蜜」の教えを一つでも日常に取り入れてみてください。

おはぎを食べながら、過ぎ去った夏を労い、来るべき冬への準備を整える。そんな穏やかな時間を過ごすことで、心は自然と整っていきます。

今日という日が、あなたにとって実りある秋の始まりとなることを願っています。

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